未病の治　教室

まず「未病」とは何か・・・・・およそ２０００年前に中国最古の医学書「黄帝内経」のなかで、初めて登場した言葉とされています。日本では江戸時代、貝原益軒の「養生訓」の中に触れられています。

では、未病とは現代的に言えば、

「自覚症状はないが、検査で異常がある状態」＝西洋医学的未病

「自覚症状はあるが、検査では異常がない状態」＝東洋医学的未病

とも言えます。前者は、健康診断で数値の異常が出てきたようなもの。後者は、医療機関に行ったものの画像や数値で問題ない。でも、調子が優れないとか、痛いとか言ったものでしょうか。

一言でいえば、「半健康で、病気になりつつある状態」なのです。

「未病の治」とは、健康であろうと病気であろうと、日ごろから生活習慣に気をくばり、より本来の姿に近い身心の状態にもっていこうとする、生き方の姿勢を表している言葉なのです。これを東洋医学の世界では「中庸：ちゅうよう」と言っています。健康すぎても、病気だらけでも、いけない。どちらか一方への偏りがないのが一番という意味なのです。

病気になってからいい治療をするよりも、もっと大切なのは、病気にならないうちに芽を摘んで予防することです。それにより、より高い健康を目指すことになります。

人間には本来「自然治癒力」が備わっています。この力を生かす方向に導くだけで、本来の力を発揮しはじめるようにできています。

これを、骨・関節・筋肉のケースで考えてみると

スポーツや一般的な腰、ひざ、肩、首などの痛みにも原因（身体の癖、動きの癖と言った生活習慣）があります。原因がわかれば自然と対策はできます。この対策は、医療に従事する者であれば知っておくべきことですが、皆様にも知っておいていただきたいことです。知らないと恐れることも、知っていれば対処できます。痛みを我慢しないで、なぜかを考える人になって欲しいと思います。そうした知識を常識として、身体を動かし、より高みを目指してもらいたいです。この教室では、身体の知識をお伝えし、実際に身体を動かしながら理解していこうというコンセプトです。